田山了一さんのTVバラエティ批評 『No.023 ダーウィンが来た!』 をアップしましたぁ。NHKさん放送の動物長寿番組です。ときどきテレビで動物や昆虫専門のカメラマンの仕事が紹介されることがありますが、田山さんも書いておられるように、大変な手間と時間がかかるお仕事です。当たり前ですが動物は人間の思惑通りに動いてくれない。特定の時期を逃すと、撮影チャンスは来年までお預けといふことも珍しくないようです。
以前、イギリスBBC放送局が制作した 『プラネットアース』 で、洞窟の中の昆虫生態篇を見たことがあります。虫の大群が岩肌全面をザザザザーッと移動しているような映像で、虫嫌いの石川は、うぎゃっ!ふげっ!と叫びながらも見続けたのであります。ほんでずっと見ていると、だんだん落ち着いてきたんだなぁ。なんていふんでしょ、キミたちとボクたちは住む世界が違うんだよね、おじゃまして覗かせていただいてすいませんといふような (笑)。
金魚屋のインタビューで、ケルト文化の碩学・鶴岡真弓先生が、〝現代人は忘れかけているが、つい最近まで人間が動物に食べられる時代があった。それが自然への畏怖につながっている〟 といふ意味のことをおっしゃっていました。石川はママに頼まれてコロッケを買いに出て、野良犬に追いかけられてウサイン・ボルトのように疾走した経験がある世代ですから、先生のおっしゃっていることはかすかにわかります。でもだんだんそういう感覚は失われていくんだろうなぁ。
食べる食べられる関係が、日々粛々と行われている動物界は、けっこうこわひものであります。特にそこに人間が含まれると、こわひを通り超して悲しくやるせなくなる。でもそういった残酷な本来的世界を知ることは必要でしょうね。田山さんが書いておられるやうに、『視点を、志を、そしてコストを高く保てば、地球にいる私たちが、地球にいる彼らをその位置関係のまま、俯瞰で視野に入れることができる。それは言うまでもなく、神の視点に近い』 のでしょうね。
■ 田山了一 TVバラエティ批評 『No.023 ダーウィンが来た!』 ■