山際恭子さんのTVバラエティ批評 『No.022 カンブリア宮殿』 をアップしましたぁ。企業のトップがビジネス哲学やノウハウを語る、村上龍、小池栄子さん司会のテレビ東京の人気経済番組です。しっかしまあ、『ためになりそうなのも、重々承知している。・・・何を警戒して遠ざけるのかと言うと、自分自身のわかったつもり、な気分だ。とりわけ文学だのカルチャーだのの周辺にいる世間知らずな我々は、週刊東洋経済かなんか読んですっかり事情通の気分になり、社会派コメンテーターを気取るなんてことになりがちだ』 といふのも確かですが (笑)。
山際さんの指摘、不肖・石川も思い当たりますぅ。編集者といっても文学の世界に足をつっこんていると、浮世離れしがちなんですね。それがある時、ふと実社会の仕組みに気づく。そうなると今度は急に経済通を気取り始める。たいていはカンブリア宮殿とか 『週刊東洋経済』 とかから得た 〝とっくに公開されている知識〟 が元になっていますけど (笑)。人を笑わせるのが商売だったコメディアンが、身体も心も重くなって、中途半端にマジメなワイドショーのコメンテーターになるようなものかな。だいたい 50 歳の声を聞く頃に、この 〝生半可社会通病〟 にかかることが多いやうです (笑)。
文学・カルチャー系の出版社は、99.9 パーセントの零細出版社と指折って数えられる大手から構成されます。大手は出版をほぼ純粋なビジネスとして捉え、とにかく明日売れるジャンルと著者の本を出さざるを得ない面がある。売れなくなった著者は容赦なく切り捨てられますが、ビジネスとしては正しい。不肖・石川、尊敬しますですぅ。零細出版社は、各文学ジャンルで高邁な理想を掲げて船出しますが、しばらくすると 〝きれいごとぢゃ儲かんねぇぞぉ〟 ってことで、自費出版主体の出版社になっていったりするわけです。それもそれで痛いほど内情がよくわかります。文学金魚は総合文学と文学原理主義といふ高邁な理想を掲げているわけですが、ビジネスとしては当然、前途多難が予想されます (笑)。みなさん、応援してくださいねっ!。
■ 山際恭子 Vバラエティ批評 『No.022 カンブリア宮殿』 ■