谷輪洋一さんの文芸誌時評 『 No.003 三田文學 2012念秋季号 』 をアップしましたぁ。座談会 『昭和文学ベストテン 【評論篇】 』 を取り上げておられます。谷輪さんの批評はあいかわらず厳しいですねぇ。金魚屋時評陣は厳しめの批評をされる方が多くて、不肖・石川はちょい心配になるざんす。ま、圧力をかけられるくらい金魚屋がユ~メ~ならそれはそれでよろしいんですけどね。
でもまあ、小説文壇に限らず、批評は盛況のようで低調だと思います。批評はその気になれば誰でも書けるわけです。興味があってそれなりに詳しいジャンルについてなら、数本くらいは批評は書けます。そういう言説がネットに溢れているのが現代であります。でも継続的に批評を書ける方は少ない。また批評が単なる 『批判』 で終わっているものが多い。谷輪さんがおっしゃるように、批評を貫く 『思想』 が欠けているわけです。『思想』 がなければ批評は単なる放言で終わってしまいやすいのです。
文学金魚は文学原理主義・文学総合主義を一種の社是として掲げていますが、それは文学全体を貫く思想を明らかにしようという姿勢であります。原理的思想というと基礎研究のようなイメージを抱かれる方もおられるかもしれませんが、そんなことはありません。原理的思想は間違いなく未来のヴィジョンに直結しています。思想のないところでヴィジョンのないおしゃべりをいくら重ねても無駄だという谷輪さんの意見に賛成!。あ、石川もけっこう辛口ぢゃん (笑)。
■ 谷輪洋一 文芸誌時評 『 No.003 三田文學 2012念秋季号 』 ■