長岡しおりさんの文芸誌時評 『No.001 GINGER L。 2012 SUMMER 07』 をアップしましたぁ。『GINGER L。』 はファッション誌系女性向け文学雑誌といふ、ターゲットが絞り込まれた、でも文学市場としては一番大きそうなパイを狙った雑誌であります。
平松洋子さんが書いておられますが、最近、いろんな雑誌で平松さんの文章をお見かけします。平松さん、今、かなり 「書ける」 状態らしいです。長い文章をよく書いておられます。それにフットワークが軽いです。ルポできる料理研究家の方って、少ないのかもしれません。それに表紙にお名前が見える桐野夏生さんはもちろん、湊かなえさんも超売れっ子だなぁ。
あたりまえといえばそうなんですけど、売れっ子さんって各誌で重なるんですよねぇ。理由はいくつもあるわけですが、編集者としては悩ましいところです。売れっ子作家さんとはいえ、どんな作品が出てくるのかは、基本、アンタッチャブルなわけですから、誌面をいじるしかないところがあります。おしゃれなレイアウトで作品を組むとかね。いっそ売れっ子さんを一定期間独占できれば簡単なんでしょうけど (笑)。
でもそれは、大衆文学系の作家さんたちのお話しで、純文学系作家さんたちには縁のない心配であります。ときどき大衆文学誌で芥川賞作家特集みたいなものが組まれることがあるんですが、たいてい 「う~ん」 といふ内容なんですねぇ。要はまぢでプロットを立てられない作家さんが多いわけです。小説の世界ってのも、ちょ~奇妙なところであります。純文学的評価とたくさんの読者を抱えた大衆文学的評価がかなりはっきり分断されています。と編集者としては、なんとかならんのかなぁ、う~ん、と考えてしまひますぅ。
■『No.001 GINGER L。 2012 SUMMER 07』 URL■