ラモーナ・ツァラヌ連載小説『蓮・一時―時間の木』(後編)[連作小説『蓮』その二]をアップしましたぁ。主人公のアンナが異世界に迷い込むお話です。影の主人公は蓮君で、彼が連作を通じた物語の核になっています。物語のうねりはアンナが蓮君に近づき、また遠ざかるというダイナミズムです。
ラモーナさんの小説全般に言えることですが、この作家には〝正しさ〟に対する直観的把握がある。一方で現実世界はそうではないという認識があります。それは誰でも持っているものだと言えるわけですが、いわゆる〝正しさ〟と〝邪悪なもの〟の距離がかなり広い。落差が大きいんですね。
これはやはりラモーナさんの肉体的思想、もっと言えば正教徒としての信念から生み出されているように思います。単純化すれば善と悪の落差が激しいわけですが、こういった肉体的思想は小説に必須です。連作はまだまだ続くようですが、落差がさらに広がってもいいと思います。広がれば広がるほど小説は面白くなるでしょうね。
■ラモーナ・ツァラヌ連載小説『蓮・一時―時間の木』(後編)[連作小説『蓮』その二] 縦書版■
■ラモーナ・ツァラヌ連載小説『蓮・一時―時間の木』(後編)[連作小説『蓮』その二] 横書版■
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