小原眞紀子 音楽評『オンドマルトノの声—DiVa『静かな犬』』をアップしましたぁ。小原さんは今年7月15日に下北沢で行われた「幻影の『猫町』下北沢/朔太郎X線の彷徨」をご覧になったようです。出演は谷川賢作(作曲、ピアノ、朗読)、原田節(オンドマルトノ、歌,、朗読)、波多野睦美(歌、朗読)、萩原朔美(朗読、朔太郎役)さんです。原田節さん演奏のオンドマルトノの音は魅力的なようです。
〈音楽〉と、ひと口に言うが、我々がそれを完成された〈和音〉、そのスライドの集積として聴くのと、〈歌〉として聴くのとでは、まったく別物であるのかもしれない、と初めて思った。後者は音楽と呼ばれる芸術である以前に、まさに“声“なのである。だから下北沢を語る声、我々がかつていた世界を思い出させる声、そういったものであるのは言うまでもない。〈音楽〉はそれ自体で世界を形作るが、〝声〟は世界の一部であり、だからこそ大きな世界へ導いていく〝人〟の姿も見える。
これもまた長年のファンには言うまでもないが、谷川賢作は〈詩〉を単に歌につける言葉というものではなく、〈詩〉そのものとその〈音楽〉との根源的な接点を探っていく当代の第一人者である。その根源的な接点とはまさに〈歌〉であるから、〈歌〉を壊すもの、壊さないものに対して敏感であるのは当然で、いわゆる〈音楽〉を提示しようとする意図からもっと〝起源〟へと遡ることをいつも考えているに違いない。今回、わたしが聞いた、というか、奏者の手とともにその存在に出会った楽器の〝声〟は、まさにそういうものだったと思う。
小原眞紀子 音楽評『オンドマルトノの声—DiVa『静かな犬』』
音の中で人間の声が特権的であるのは言うまでもありません。人間は人間に関する無意識のプロですから声にとても敏感です。オンドマルトノは人間の声に近いようですね。
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