ラモーナ・ツァラヌ連載小説『蓮・一時―時間の木』(前編)[連作小説『蓮』その二]をアップしましたぁ。ルーマニア人で能楽研究者でもあるラモーナさんの連作短編小説第二弾です。サブタイトルに『時間の木』とあるように、主人公アンナが未来に伸びた複数の時間軸を彷徨う一種のタイムトラベル小説です。
主人公はアンナなのですが、この連作小説の影の主人公はタイトルにもなっている『蓮』君です。今回は中学生くらいの男の子として現れましたが、基本少年のようです。蓮君自身がまだ未来が定まっていない男の子なのですね。そしてアンナの未来(心)も揺れている。しかし物語の軸は大人であるアンナが様々な決断を下して蓮君に近づいてゆくことにあるようです。いわば〝蓮君探しの小説〟と言っていいと思います。
その意味で連作小説『蓮』はビルドゥングスロマンでもありそうです。あっちゃこっちゃ飛んで、事件だけでなく議論も含まれますからちょいと森鷗外の『青年』のようです。もちろん連作の行き着く先はわかりません。未来はまだ書かれてないのですね。どのように時間の木が伸びてゆくのか楽しみです。
■ラモーナ・ツァラヌ連載小説『蓮・一時―時間の木』(前編)[連作小説『蓮』その二] 縦書版■
■ラモーナ・ツァラヌ連載小説『蓮・一時―時間の木』(前編)[連作小説『蓮』その二] 横書版■
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