大篠夏彦さんの文芸誌時評『文芸5誌』『文藝 2021年冬号』をアップしましたぁ。第58回文藝賞受賞の澤大知さんの「眼球達磨式」を取り上げておられます。新人の登場はどんな場合でも楽しみです。なにせ新しい才能なのですから。新人賞という関門をクリアするのは簡単なようで難しいですが、新人作家さんには新人賞の門を通過しても気を緩めず、さらにいっそう頑張っていただきたいと思います。
大篠さんが書いておられますが、文学賞は新人賞もプロ作家も含め、びみょーなところがあります。ただあからさまに不公平な力が働くことはないと思います。その時々で様々な要因が賞の受賞者を決めるのは確かですが、そこには理由がある。その理由は〝現実〟と呼ばれるものであり、そういった現実を踏まえなければ現実的な壁を突破し、現実を変えるのは難しいということです。
小説に限らず文学作品は簡単なようで難しい。オリジナリティと言っても、何がオリジナリティなのかをまず自分で定義しなければ始まらないところがあります。新人賞を含め世に溢れる既存商業作品を読むと、どれもこれも似たように感じられることもあると思います。しかしそこにも理由がある。書くだけでなく考えることも作家には必須です。
■ 大篠夏彦『文芸誌時評 文芸5誌』澤大知「眼球達磨式」(文藝 2021年冬号)■
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