片島麦子さんの連載小説『ふうらり、ゆれる』(第14回)をアップしましたぁ。『ふうらり、ゆれる』も大団円に近づいてまいりました。古羊さんはもうおばあさんになってしまいましたね。つーかこの時間の流れの速さ、尋常ではないわけですが、ある女性の一生を描くのが『ふうらり、ゆれる』のテーマだと言っていいでしょうね。
最後に救済が設定されているわけですが、これは作家の資質と古羊さんの描き方から言って一つの必然です。でもま、基本的な作家の視線は冷たいというか客観的で冷静なものです。それが『ふうらり、ゆれる』という小説にしっかりとした世界観を与えています。まあ極端なことを言えば、救済は古羊さんが見た夢であってもいいわけです。しかし古羊さんはそういった夢を見る権利あるしその資質も持っている。小説的必然ということですね。
甥っ子の慧君は古羊さんの恋人という解釈をしてみても面白いかもしれません。もちろん普通の恋人じゃありません。現世ではかなわない恋だから年の離れた伯母と甥に設定されている。悲恋でもあり恋が成就したとも言えるのが小説の構造的落とし所でもあります。
■ 片島麦子 連載小説『ふうらり、ゆれる』(第14回)縦書版 ■
■ 片島麦子 連載小説『ふうらり、ゆれる』(第14回)横書版 ■
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