第8回金魚屋新人賞を受賞した松岡里奈さんの小説を今月から連載開始します。なお連載にあたり『モナリザとセックスする夢』というタイトルを『スーパーヒーローズ』に改題していただきました。まずそれについてちょっと書いておいた方がいいですね。
皆さん作品のタイトルに迷うことがあると思います。最初にタイトルありきの場合はそのままスッと行きますが、後からタイトルを考える時は複数の候補が浮かんで迷うことが多いのではないでしょうか。お聞きしたわけではないですが、松岡さんは後者だったのではないかと思います。
作品のタイトルの好みは人それぞれです。短い方がいいという人もいるし長い方がいいという人もいる。なるべくカッコよさげなタイトルがいいという人もいますし、ごく平凡なタイトルの方がいいという人もいる。でも感覚に頼っていては埒があきませんよね。
文字数がすごく多いわけではないですが、『モナリザとセックスする夢』は散文の一節に近いです。〝モナリザとセックスする夢を見たけど現実には起こらないわけだから実際は・・・〟といった形で、読者の中に妄想や想像を掻き立てる効果を狙っているとは言えます。
ただしこの妄想・想像の続きは作品で詳細に書かれているわけで、タイトルと内容が癒着している感じが否めません。小説家の場合、何百枚も原稿を書いた勢いそのままでタイトルを散文的にまとめてしまうことがありますが、そういった時こそ一歩引いて抽象化して、ある種の詩の俯瞰的高みからタイトルを付けた方が落ち着く場合があります。その逆に超観念的で浮世離れした詩の場合は具体的タイトルの方がしっくりすることがあります。
で、松岡さんの『スーパーヒーローズ』ですが、それは実際にコンテンツを読んでみてください。かなりの迫力です。ほぼ小説処女作で500枚の大作なので、石川の松岡さんのイメージはどーも大型ダンプカーのドライバーの、キレイなお姉さんあたりをウロウロしてしまうのですぅ(爆)。
■ 松岡里奈 新連載小説『スーパーヒーローズ』(第01回)縦書版 ■
■ 松岡里奈 新連載小説『スーパーヒーローズ』(第01回)横書版 ■
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■ 第9回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
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