小原眞紀子さんの連作詩篇『Currency』『頭』(第19回)をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの連作詩篇です。
僕の世界では
人々は頭を取りはずし
小脇に抱えていく
ときどきは上に載せるけれど
水汲みの桶みたいに
重くてふらふらする
傾けると
中身がこぼれる
愚にもつかない
知識の欠片
ハンカチで包んだ
自慢話
だから耳から耳に
紐を結んで手に下げる
パーティー・バッグみたいに
(小原眞紀子「頭」)
歩行するように進み、時々ジャンプするのが小原さんの今回の『Currency』の詩法です。詩の書き方はたくさんあります。何を表現したいのかによって詩法を変えるのが本来の詩人の書き方です。しかし現代詩人の書き方は硬直化していますね。一つの詩法を見つけると、ほとんど生涯に渡ってそれを使おうとする。でも現代は物凄い勢いで社会が変わっています。小原さんのように複数の詩法を持つ詩人でないと、現代は捉えられないでしょうね。
■ 小原眞紀子 連作詩篇『Currency』『頭』(第19回)縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連作詩篇『Currency』『頭』(第19回)横書版 ■
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