小原眞紀子さんの連作詩篇『Currency』『猫』(第08回)をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの新作詩篇です。今回はリフレーン多用ですね。
浮き世は猫だが
彼岸も猫である
濡れるのは嫌だけど
三途の川も泳いで渡る
意外とタフである
死んでも猫である
そこからが勝負
猫は偏在する
世界は猫である
大きくなれば
なるほど猫である
いるかいないか
わからなくても猫である
(小原眞紀子『猫』)
『猫である』という言葉をときおり挟んで続いてゆく詩篇です。同じ言葉の繰り返しではないので、正確には変則リフレーンですね。こういう手法というかテクニックは小原さんの得意とするところです。
リフレーンは時計のチクタクのようなもので、一種のリズムです。だから繰り返し表れ、かつ滑らかに進んでいかなければなりません。大きく目立ったり、読者が引っかかってしまうようなことを書いちゃいけないんですね。
小原さんの詩は変則リフレーンですから、スムーズに詩行は進みますが、あれっという方向に突然曲がったりする。意外なところに連れてゆかれる詩であり、リフレーンのテクニックです。
■ 小原眞紀子 連作詩篇『Currency』『猫』(第08回)縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連作詩篇『Currency』『猫』(第08回)横書版 ■
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