ドイナ・チェルニカ著、ラモーナ・ツァラヌ訳、No.017『少女と銀狐』第25章をアップしました。『第25章 キツツキとヘビはひそかに話しあう』です。物語は大詰めですが、まだまだ波乱が起こりますねぇ。
今回の章でキツツキが『この世のすべてを見ている森にしか分からないんだけど』と言っています。もんのすごく物わかりの悪いことを言うと〝神様〟ぢゃなくて〝森〟なんですね(笑)。ただこれもすごく杓子定規な言い方ですが、『森にしか分からない』というところに『少女と銀狐』という物語の一種独特のテイストがあると思います。
世界は少なくとも情報的にどんどん狭くなっています。遠い神秘の国など存在せず、どっかのバラエティ番組がロケして紹介しただけで、かなりの程度までその生活の機微がわかります。ただ狭くなればなるほど譲れないポイントが露わになるのも確かです。そこにあまりにも固執して、特異性や特権性を強調し過ぎると、他文化と諍いになってしまうのですが、基本自由主義の国ではそれは起こらないでしょうね。むしろ何が固有の譲れない文化ポイントなのか知りたい。
『少女と銀狐』は森と沼の物語ですね。それが現世と地続きの異界であるからリアリティが生まれる。この閉じた繭のような森の世界は母性でもあるんでしょうね。銀狐がその決着をつけてくれるはずです。
■ ドイナ・チェルニカ著 ラモーナ・ツァラヌ訳『少女と銀狐』第25章 縦書版 ■
■ ドイナ・チェルニカ著 ラモーナ・ツァラヌ訳『少女と銀狐』第25章 横書版 ■
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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