ドイナ・チェルニカ著、ラモーナ・ツァラヌ訳、No.013『少女と銀狐』をアップしました。『第18章 水晶のタワーの近くにて、ヴズとそのほかの生きものたちと』です。森の中の物語は摩訶不思議ですなぁ。ヴズは多分銀狐の味方なんですが、一筋縄ではいかない味方のようです。善と悪の境目が曖昧というか、等価なんですな。
イギリスBBCが制作した『プラネットアース』という番組があって、海の生きものは涼しげで気持ちよく見られたんですが、森の中になるとそーはいかない。洞窟の中で大量の虫がゾゾゾゾッと移動してる映像なんか、やめてくれいっ!と叫びそうになりました。しっかしそれは人間の勝手で、彼らは彼らで楽しく(?)暮らしているのですな。生のセオリーが違っているわけです。
『少女と銀狐』はキリスト教圏の物語ですが、大変に汎神論的です。嫌われ者のボズガにも存在理由がありますし、天上から地上に降りてきた銀狐や王子王女にあらかじめ特権的な力が与えられているわけでもない。善と悪、清浄と汚濁が絡まり合いながら進んでゆく。一番重要なのは、登場してくる生きものに肉体感覚があることかな。魂(精神)と肉体が一直線で結びつかないのは、天上も地上も同じなのようです。
■ ドイナ・チェルニカ著 ラモーナ・ツァラヌ訳『少女と銀狐』『第18章 水晶のタワーの近くにて、ヴズとそのほかの生きものたちと』縦書版 ■
■ ドイナ・チェルニカ著 ラモーナ・ツァラヌ訳『少女と銀狐』『第18章 水晶のタワーの近くにて、ヴズとそのほかの生きものたちと』横書版 ■
■ 第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■