寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『松の牢』(第08回 最終回)をアップしましたぁ。『松の牢』最終回です。寅間さんの小説は心理劇です。私小説的心理劇なんですが〝私〟に限定されない主人公を設定できるという意味でテクニシャンです。また筆力も旺盛ですね。
石川は日々売れ筋を探っております。新しい才能を見つけたいと思っていますが、ある程度の実績とキャリアのある作家の中に眠っている売れ筋も探っております。作家にとって一番難しいのは自分の作品を冷静に判断することです。これははっきり言ってどの作家もできない。だから編集者や読者の反応が必要になるわけです。ただ読者の反応はある程度信頼できますが、今の編集者の能力はどうかなぁ。読者につながる蛇口が編集者ということになりますが、それがあまり上手く機能していない面もあります。石川、日々自分のことを疑いながら売れ筋を探っているわけです。
作家と編集者の良好な関係は、編集者が〝これでイケる〟と判断した作品が世に受け入れられて一定の成果を出すことで築かれます。これに何度も失敗すると、当然のことですが信頼関係は失われる。作家は編集者の悪口を言い、編集者は作家の愚痴をこぼすことになる。それは避けたいですね。石川はどの作家についても〝これでイケる〟というポイントがわかるまでじっと我慢します。見切り発車はしません。作家の皆さんはご不満を抱かれるかもしれませんが、これについては信用していただくほかないですね。その信用は結果という形で出るのが一番望ましいのは言うまでもありません。
■ 寅間心閑 連載小説『松の牢』(第08回 最終回) 縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『松の牢』(第08回 最終回) 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■