第03回 文学金魚新人賞受賞作家 原里実さんの連作短篇小説『なんかいいこと(下編)』をアップしました。『なんかいいこと』完結編です。原さんの場合はそろそろ連載は終了して、単行本編集に入ってゆきます。装丁でちょいとモメてるようですけんど(爆)。
昔イチロー選手が初めてのピッチャーから一本ヒットを打つのは難しい、つまり「0から1にするのは難しい」という意味のことを言いました。だたま、1から2へも、2から3へも難しいのです。今は情報化時代ですから、SNSを活用しているプロの作家なら、普段どんな活動しているのかある程度わかります。原稿書くので忙しくてご飯食べるヒマもないという売れっ子は別ですが、純文学系の作家は実に細々とした仕事までこなしている。漠然と夢見る作家像とかけ離れていること、請け合いです(爆)。
ただまー夢いっぱいの作家志望の皆さんから見れば、ほとんどの作家の努力は、これだけやってこの程度、と写ると思います。でもそれは自分は打って出ないで他者を批判的に見ている間のことだけです。当たり前ですが実際に衆人環視の元で作品を発表するようになれば、この程度、と思うようなレベルに行くのも難しいということがわかります。一本一本ヒットを積み重ねて4000本を超えたイチローさんは立派です。毎回勝負なのですぅ。
はっきり言って、音楽やお笑いなどの芸能の世界と比べて、文学の世界は非常にチャンスが少ない。理由は露骨な言い方になりますが、金が儲からないからでしょうね。新しい才能を発見して大儲けできる可能性が低いので、誰も本気で才能を発掘しようとしない。新人はリスクなので、むしろ既存の中堅・大物作家の取り合いになりがちです。ラノベや大衆文学から純文学、自由詩等々のマイナージャンルになるにつれてチャンスは少なくなります。
この厳しい状況を、どうクリアして世の中に打って出るのかも新人作家の実力の内です。どのジャンルでもプロを目指してハードルを越えられるのはせいぜい10パーセント。10年後の生存率はさらに下がる。気を抜いている余裕はないのであります。
■ 原里実 連作短篇小説『なんかいいこと(下編)』 縦書版 ■
■ 原里実 連作短篇小説『なんかいいこと(下編)』 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■