山際恭子さんのTVドラマ批評『No.157 嘘の戦争』をアップしましたぁ。関西テレビ放送系列で火曜21時から放送されているドラマです。草彅剛さん主演で藤木直人、水原希子、菊池風麿、マギー、大杉漣、山本美月、市村正親さんらが出演しておられます。脚本は後藤法子さんです。石川も毎回なんとなく見てしまっております。最近のドラマの中では秀作ですねぇ。でも連続ドラマだから見てられるのかもしれないなぁ。
主人公は子供の頃に家族を殺され、それを一家心中だと証言させられている。ドラマはそれへの復讐劇であり、この時点でうんと重い。そうならざるを得ない。しかし成長した主人公はなぜか詐欺師になっていて、この詐欺のテクニックを使って復讐を試みる、というよくわからないコンセプトだ。正義の戦いに、なぜ詐欺仲間の協力や詐欺的なテクニックが必要なのか。(中略)
もちろん詐欺というテーマは魅力的だ。ただ詐欺師を主人公にした物語というのは、もとより造りが違う。そこでは殺人は起きてはいけないのだ。あったとしてもそれが表にずんずん出てきてはいけない。詐欺師の持つテクニックを見せ、楽しませようというコンセプトならなおさらだ。
(山際恭子)
そーなんだよなー。詐欺師が引っかかるし、山際さんが批評しておられるように、詐欺師モノでは「殺人は起きてはいけない」んだな。詐欺師が人を詐欺にかけて、その人が死んでしまって激しく動揺するという小説や映画はけっこうあります。テレビドラマとしては『嘘の戦争』は面白いですが、シーケンシャルな映画ではこの脚本のままでは行かないだろうなぁ。
テレビドラマは毎回勝負ですから、1回ごとに事件を入れていかなければなりません。ただ10回とかのクールで継続したテーマも織り込まなければならない。それはバランスというより、作品の前提となる構造(ストラクチャ)の立て方の問題ですね。作品の本質となるテーマの強さによって毎回の事件が引き立つような構造をあらかじめ作っておかないと、どこかで息切れしてしまふと思います。
■ 山際恭子 TVドラマ批評 『No.157 嘘の戦争』 ■
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