佐藤知恵子さんの文芸誌時評『大衆文芸誌』『No.104 オール讀物 2016年06月号』をアップしましたぁ。壇蜜さんの本格的小説誌デビュー作『光ラズノナヨ竹』を取り上げておられます。ちょい前にお笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんの絵本『えんとつの町のプペル』を取り上げました。芸能人が文筆の世界に進出すると過剰に叩かれたりするわけですが、まー引き続きの有名税ですね(爆)。知名度が有利に働くのは当然。問題はその先です。
壇蜜さんは、石川も週刊新潮などのエッセイを読んでおりますが、文才がござーます。多分、7枚くらいの原稿プラスイラストで、月4回か5回連載です。エッセイは毎回ネタを変えなければならないので楽な仕事ではありません。でも苦労して書いているのを感じさせず、身辺からネタを拾っておられる。エッセイの書き方を心得ておられると思います。んで小説でござーます。
「光ラズノナヨ竹」はとってもいい出だしでござーます。主人公はアンバランスな女の子よね。パソコンを使って大学の卒論なんかを書こうとしているので、真面目に勉強している子だわ。でもガールズバーで比較的割のいいアルバイトをしていて、しかも女子大生のなけなしのお金を平気で盗むような男と付き合っている。男を見る目がないって言われてもしかたがないわね。じゃあお金のためならなんでもする子かっていうと、18万が大金でコツコツ貯めたわけですから、あんまり享楽主義の子じゃないわ。この、崩れていると言うより、少女と大人の間でうまくバランスが取れない女の子が、なけなしの18万円を盗まれて、その難局をどう乗り切るのかが物語のポイントになるわ。
(佐藤知恵子)
今回は短い作品ですが、長篇になればもっと面白い展開が期待できるアイディアです。壇蜜センセ、期待を裏切らないなぁ。
■ 佐藤知恵子 文芸誌時評 『No.104 オール讀物 2016年06月号』 ■
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