日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第94回)をアップしましたぁ。おろち学会での議論続編です。ん~学術的かつ直観的な議論が交わされておりますねぇ(爆)。
「いずれにしても……」
「印南哲治の最大の悲劇は、現実にはありもしない〈体質者的異類・求道者的同類による挟撃〉という幻影に勝手に怯え、体質者群に一方向からあっけなく押し潰されてしまったという、その錯覚中毒症、とも呼ぶべき自沈ぶりにあるわけですかね……」
「袖村茂明・蔦崎公一という波動的体質者ならともかく、単なるドM男もしくは単なるスカトロ男もしくは単なるホモだちペアという非波動的通俗の体質でしかない凡人にとどめを刺されたというわけだから」
「悲哀は倍増以上ですね……」
「体質は体質だから」
「非体質者の悲哀ですか……」
(三浦俊彦『偏態パズル』)
論理学を知り尽くした学者さんらしく、議論では決定的勝者は出ないのであります。ただいつも議論を引っ張って行くのは、頭で考えた論理ではなく突発的行動です。子どものちょっとしたイタズラで、巨大な塔が崩れてしまふような面白さが『偏態パズル』にはありますね。秀才が必死に凡才になろうとしているやうなところもあるなぁ(爆)。
なお10/29(土曜日)、11/12(土曜日)、11/19(土曜日)に、第124回 平成28年秋季 東京大学公開講座が東京大学安田講堂で開催されます。定員1,000人で全講義(3日間)の受講料は5,000円、1日選択は2,000円です。三浦先生は10/29日に登場されて、『フィクションとシミュレーション』というタイトルで講義なさいます。ご興味のある皆さんは是非ご参加ください。詳細は下記URLでご確認ください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/d04_01_01_j.html
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第94回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第94回) テキスト版 ■
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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