今月1日にアップした『金魚詩壇 討議&インタビュー No.006 安井浩司 永田耕衣を語る』の関連コンテンツを今日からアップしていきます。永田耕衣さんは明治33年(1900年)生まれで平成9年(1997年)に97歳でお亡くなりになった俳人です。安井浩司さんの俳句の師でもあります。耕衣さんの句は『而今(にこん)』、『只今(しこん)』の二冊にまとめられていますが(最近合本も出ました)、鶴山裕司さんにこの2冊から100句を選んでもらいました。今回は耕衣前期句集『而今(にこん)』より100句です。
夢の世に葱を作りて寂しさよ
恋猫の恋する猫で押し通す
かたつむりつるめば肉の食い入るや
朝顔や百たび訪はば母死なむ
うつうつと最高を行く揚羽蝶
店の柿減らず老母へ買ひたるに
母死ねば今着給へる冬着欲し
母の死や枝の先まで梅の花
夏蜜柑いづこも遠く思はるる
いづかたも水行く途中春の暮
耕衣さんの中期句集『驢鳴集』収録の句です。驚くほどの名句揃いですね。戦後にいわゆる〝名句〟を一番数多く書き残したのは耕衣さんかもしれません。じっくりお楽しみください。
■ 【安井浩司 永田耕衣インタビュー関連論考】No.001 永田耕衣俳句集成『而今』(前期句集)より百句 鶴山裕司 選(PDF版) ■
■ 【安井浩司 永田耕衣インタビュー関連論考】No.001 永田耕衣俳句集成『而今』(前期句集)より百句 鶴山裕司 選(テキスト版) ■