星隆弘さんの荒木経惟論『仕事のポートレイト――荒木経惟『男 -アラーキーの裸ノ顔展-』』をアップしましたぁ。東京青山の表参道ヒルズ本館B3Fスペースオーで、明後日6日(水曜日)まで開催されている荒木経惟さんの写真展に関するコンテンツです。『裸ノ顔展』は雑誌「ダ・ヴィンチ」創刊20周年記念事業でもあります。「ダ・ヴィンチ」を飾ってきた荒木さんの男の顔写真がいよいよまとまるのです。感慨深いでごぢゃる~。お近くにお越しの皆様は、是非足を運んでくださいませませ。
星さんは、「本展の構成は同一サイズのオリジナルプリントを被写体の年齢や職業を問わず一列に並べる。その均等さは、荒木の目という中心点からの放射線を反映する。つまりそこに視界が現在する。荒木の写真の展示空間には荒木の視界が構築されるのだ」と批評しておられます。確かに会場の入り口には、男の顔の最初と最後を飾った北野武さんの大きな写真が飾られていますが、荒木先生の意図は男の顔を均等に並べることにあったのでせうなぁ。
顔を撮るのは荒木さんのライフワークと言ってもよく、初期から定期的に人間の顔を撮っておられます。単に有名人を撮り、その社会的プレステージに沿って展示にメリハリ(序列)をつけたんじゃぁ荒木さんの名がすたりますね(爆)。もちろん男の顔は荒木さんのスタジオワークをまとめた仕事で、クライアントなどとの絡みもありますから、商業的といふか、私的よりも社会的コードが紛れ込んでいます。ただそれをわずかに脱構築させている荒木さんの意図を読み解くのも、こういった華やかな展覧会の楽しみでありますぅ。
■ 星隆弘 荒木経惟論 『仕事のポートレイト――荒木経惟『男 -アラーキーの裸ノ顔展-』』 ■