世界(異界)を創造する作家、遠藤徹さんの連載小説『贄の王』(第07回)をアップしましたぁ。遠藤さんの『贄の王』を含む作品集が未知谷さんから出版されましたぁ。パチパチパチ!。「まーやー」「くれーしゃ」、「麝香猫」、「贄の王」の4作品が収録された297ページの本です。「まえがき」で遠藤さんは「ここに収録した作品はすべて、「書きたい」というやむにやまれぬ衝動の産物である。書く前にあったのはその衝動だけであり、したがって、その大部分は自動書記に近い手法で書かれたものだということになる」と書いておられます。
書きたいことを書くのが作家にとって一番の幸せであり、最大かつ最高の目的でもあります。でもそれだけではイケナイのであって、社会とどう切り結ぶかが問われます。ダメ出しの出ないところで好き勝手書く自己表現はムダなのでありまして、作家は常に社会(読者)からの反応に敏感でなければなりません。しかし充分過ぎるくらい社会を意識しながら、なおかつ「これで行くのだ」という作家の確信があるなら、それは世に問うてみる価値があると思ふのであります。
遠藤さんにはホラー作家のイメージがあると思いますが、その奥行きはかなり深いです。まだまだ十全にその〝本性〟を露わにしていない作家ではなひかと思います。それをもそっと世の中にアピールといふか、紹介したひものです。『贄の王』の連載が終わるまでに、遠藤さんの幅広い知的興味範囲、文学や現代社会に対する批評意識などがわかりやすく皆さんに伝わる企画を立ててみたいと思ひますですぅ。
■ 遠藤徹 連載小説 『贄の王』(第07回) テキスト版 ■