田山了一さんのTVバラエティ批評『No.048 第47回衆院選 池上彰の総選挙ライブ』をアップしましたぁ。ちょっと前の12月14日に衆議院議員総選挙が行われました。結果は皆さんご存知のとおりですが、各局、工夫をこらした選挙速報番組を組んでおられました。田山さんはその中で、テレビ東京さんの『池上彰の総選挙ライブ』を取り上げておられます。不肖・石川も池上さんの選挙速報を見ておりました。これほど政財界・スポンサーの圧力を気にしない民放選挙速報は初めてでせうね。
田山さんは、『テレビ東京はいまや堂々、プロパーの選挙速報で NHK を脅かす存在になりつつある。いったいなぜ、こんなことになったのか。驚くとともに、どこかで時代の必然をも感じる。本当に興味深い現象とは、必然的なものでなくてはならないのだから・・・ただ単に NHK の OB である池上彰を起用し、それがたまたま当たった、ということではないと考えられる。彼にはやりたかったことがあり、それは NHK では絶対にできないことであったろう。オフィシャルな巨大組織である民放各社の多くであっても難しいだろう。自らの立ち位置を意識的に戦略化し、それをテコとして逆転を狙うというやり方が顕在化しつつあったテレビ東京と、そんな池上彰とのマッチングはスリリングな必然と呼ぶべきものであった』と書いておられます。まったくその通りだと思います。
政治から文学に至るまで、すべては結局〝人〟次第です。池上さんはジャーナリストとして〝やりたかったこと〟があり、それを実現する力を貯えたということです。そのためにはどんな場合でも〝ブレない〟ことが必須でしょうね。田山さんは『ジャーナリズムの原点に立ち返ることは、既成ジャーナリズムの固定化された文脈とは縁が薄いところでしか不可能だった』と批評しておられます。これもその通り。ある分野やジャンルの原点・アイデンティティは存在します。『池上彰の総選挙ライブ』は原点的ジャーナリズムですが、ベンチャーでもあると思います。
■ 田山了一 TVバラエティ批評『No.048 第47回衆院選 池上彰の総選挙ライブ』 ■