日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第47回)をアップしましたぁ。前回に引き続き桑田庸介と仲出芳明さんの小学生時代のおろち体験であります。このお二人、おろちを引き付けてしまふ体質です。三浦センセは『1・二人ともなにやら確かに「磁場っぽいもの」を感じたこと/2・磁場に引き寄せられる、というより呼ばれる感じがしたこと/3・こちらが呼ばれているにもかかわらず、むこうの方が引き寄せられてきたっぽいこと』と書いておられます。彼らはおろちに選ばれたのですなぁ。
特に仲出君はおろち界の俊英で、学校でいじめっ子から『わざわざ学校に来てまでウンコマン』といふあだ名を付けられてしまふのです。三浦センセが『オープンな小用便器と隠微な個室とに分かれているがゆえ男子便所特有に発生する暗黙のエンガチョルールの犠牲者に誰もが一度はなる』と書いておられるとおりです。ほんでこのあだ名は、『学校でわざわざウンコするなって何遍言ったらわかるんだと何遍言ったらわかるんだと何遍言ってもわからないんじゃ何遍でも呼んでやるよなこのウンコ野郎』の省略形なのです。このあたり、往年の野田秀樹さんの『ミーハーこの立場なきひとびと』のフローチャートを思いだすなぁ。三浦さんと野田さん、東大つながりであります(爆)。
んでおろち現場を見られたにも関わらず、桑田君と仲出君の担任のホエザル先生は、『くぉらーだれだー、さっき俺がクソしてるのを邪魔したやつは~~!』『俺はクソするときはゆっくり物思いにふけることにしてんだよ。それを乱暴に邪魔したのは……名乗り出ないであとでわかったら……ザリザリの刑じゃすまんからな!』と生徒たちを恫喝するのでありまふ。三浦おろち学において、おろちは羞恥にのみ限定されるわけではなひといふことがよくわかります。ですから『やや集団から遅れて歩きながら、康介と芳明は考察を再開』するのでありまふ。次回の楽しみがまた増えましたですぅ。
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■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第47回) テキスト版 ■