山際恭子さんのTVドラマ批評『No.054 昼顔~平日午後3時の恋人たち』をアップしましたぁ。フジテレビさんで木曜夜10時から放送されているドラマです。上戸彩、吉瀬美智子さん主演で、脚本は井上由美子さんです。主題歌は一青窈さんです。山際さんは『この『昼顔』は、映像の雰囲気からして一種のイメージフィルムであると思う』と書いておられますが、確かにさうだなぁ。主婦の不倫を主題にしたドラマなのですが、上戸さん、吉瀬さんといふ売れっ子キレイどころであればあるほど、主題と相反する制約が強まるでせうね。映画『おっぱいバレー』でガッカリしたのと同じやうな構図でせうか(爆)。
ほんで山際さんが書いておられるやうに、『この「昼顔」というメインタイトルについては、言うまでもなくケッセルの『昼顔』が本家で、だからこそサブタイトルで区別をつけている』わけです。本家『昼顔』はジョゼフ・ケッセル原作(小説)で、ルイス・ブニュエル監督作品です。主演は言うまでもなく全盛期のカトリーヌ・ドヌーヴだぉ。山際さんはこの映画について、『『昼顔』のドヌーブは、問答無用の圧倒的美しさであった。その美しさはあらゆる説明を凌駕していた。これほどの美しさは、幼児体験がどうあれ、いずれ階級制度の中に収まってはいられないだろう』と批評しておられます。その通りだなぁ。ドヌーヴさんは60年代の代表的美人女優さんですが、けっこうどんな役でもやってくれたのよねぇ。トリュフォー監督の『暗くなるまでこの恋を』もよかったわぁ。
ただまあ、どんなジャンルにも制約はつきものです。映画・テレビなどの映像作品はもちろん、不特定多数の人様に向けて公開する小説などでも表現コードは存在します。それを守れなければR指定や発禁(この頃はほとんどないですが)を受けてしまふのであります。危うい主題であればあるほどコードの存在は重要になる。もちろん表現者にとっては、コードをいかに外すか、かいくぐるかが腕の見せどころといふことになります。テレビ版『昼顔』については清純派系美人女優さんお二人のキャスティングが最大のコードだったでせうね。『昼顔~平日午後3時の』の視聴率はジリジリ上がっているやうなので、健闘されていると思いますですぅ。
■ 山際恭子 TVドラマ批評『No.054 昼顔~平日午後3時の恋人たち』 ■