大篠夏彦さんの文芸誌時評 『No.013 文學界 2013 年 01 月号』 をアップしましたぁ。鹿島田真希さんの 『暮れていく愛』 を取り上げておられます。『冥土めぐり』 で芥川賞を受賞された実力派純文学作家さんです。三島賞、野間文芸新人賞、芥川賞を受賞すると、純文学新人賞三冠作家になるそうです。鹿島田さんは笙野頼子さん以来の三冠王新人賞作家さんだそうです。素晴らしいことですが、なんで純文学の新人賞が 3 つも必要なんだろ。ラジオ体操のスタンプみたいだな~ (笑)。
大篠夏彦さんは鹿島田さんの 『暮れていく愛』 を、女性的エクリチュールの一例として読み解いておられます。『肉体に根ざした 〝女の原罪〟 意識と (中略) 原理的には男女いずれの心にも存在する 〝男性性と女性性のベクトル〟 (中略) を組み合わせれば、女性的エクリチュールの概要が理解できるだろう』 と書いておられます。後者については文学金魚連載の小原眞紀子さんの 『文学とセクシュアリティ』 をご参照あれ。
大篠さんはまた 『女性は孤独に苛まれても氷の女王として生きていけるが、他者と世界を喪失した男性には自死がふさわしい』 と書いておられますが、石川もこの考え方に一票であります (笑)。女性が悩みに悩んで自殺や心中するって作品って、ど~もピンとこないんだなぁ。心中しても女性には生き残ってほしいですね。死ぬことになる役回りは男の登場人物に振り分けちゃった方がいいような気がします。石川はしぶとく生き抜く女性が登場する作品の方が、『ん~いいねぇ』 と思ってしまうのでありましたぁ。
■ 大篠夏彦 文芸誌時評 『No.013 文學界 2013 年 01 月号』 ■