後藤俊樹さんの連載映画批評 『 No.015 『エグザイル/絆』-香港ノワールの展望 』 をアップしましたぁ。日本では 『香港ノワール』 と呼ばれるジャンルの映画です。『香港ノワール』 とはなんぞやについては、後藤さんのコンテンツをお読みあれ。
後藤さんは映画の専門家ですが、文章がとてもわかりやすいと思います。何度もこのブログで書いていますが、金魚屋の社是 (?) は 『文学総合主義』 と 『文学原理主義』 です。文学をジャンル別にではなく総合的にとらえ、それぞれの原理 (本質) を探究しようということです。それにはまず、書き方を変える必要があると思います。
『専門』 といふのは時に便利な逃げ道になります。でも専門家ぢゃない人に、わかりやすく専門的な事柄を説明することが、実は一番難しいのです。金魚屋執筆陣には、この原則を守っていただいています。専門的でわかりにくいことを書くときでも、読者が 「ああ、なるほど、これは難しいことを表現しょうとしてるんだな」 と納得してくださる文章を書いていただきたいといふことです。
乱暴に言えば、小説における私小説、自由詩における現代詩、俳句・短歌における現代俳句・短歌などは、ギョーカイでは一般的ですが、多くの人にとってなじみのない仲間言葉です。そういう言葉を使うことに慣れてしまうと、一般読者からどんどん遠ざかってしまいます。そんなことやってる場合かぁってくらい文学状況は悪化していますから、金魚屋執筆陣には、1 本のコンテンツも無駄にせず、伝達すべきことをわかりやすく表現していただくよう努力してもらっています。
で、後藤さんの文章は、別になんの注文もしていないのですが、金魚屋の方針にピッタリです。東アジア圏の国粋主義的なさや当てが激化していますが、『香港ノワール』 映画は世界中の映画の記憶と遺産を散りばめた、国境を越えた作品群であるようです。
■『 No.015 『エグザイル/絆』-香港ノワールの展望』 URL■