ラモーナ・ツァラヌの文学金魚らじお『文学の旅 ③ ルーマニア文学への扉:ミルチャ・カルタレスク』をアップしましたぁ。今回はラモーナさんの母国ルーマニアを代表する作家、ミルチャ・カルタレスクを取り上げておられます。
ラモーナさんは『ルーマニア文化とその文学には、トルコ文化の影響も確かに存在します』と話しておられます。中世から近代にかけて、ルーマニアはオスマン帝国の自治国でした。オスマンから独立したのは1877年ですが、第一次世界大戦、第二次世界大戦を経てチャウシェスク独裁政権を打倒して(ルーマニア革命)民主化されたのはよく知られています。現在ではEU加盟国でNATO加盟国でもあります。
欧米では多いですがカルタレスクさんは詩人でルーマニアのポストモダン詩を代表する作家です。小説を書き始めたのは1990年代。代表作で三部作の長編小説『Orbitor』(「眩惑」)は難解ですが、2000年代に入ってから出版された小説は読みやすい。ラモーナさんは『カルタレスクさんの作品からは、ルーマニアがこの45年ほど精神的にどのように変貌してきたのかが窺える』『複雑な作風は、内なる葛藤や現状を打破したいという精神状態から生れているのであれば、誰でも楽しめるような読みやすい文体は、葛藤が解消され、リラックスした状態で様々な事柄とある程度の距離を置いて向き合えていることの表れとも言えるかもしれません』と話しておられます。まさにルーマニアを代表する作家ですね。
カルタレスクさんの作品は短編集『ノスタルジア』と短編・エッセイ集『ぼくらが女性を愛する理由』が邦訳で出ています。ラモーナさんのらじおを聞いて読むとさらにカルタレスクさんという作家の理解が進むと思います。
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