小原眞紀子連載小説 『幕間は波のごとく』第24回をアップしましたぁ。金魚屋からサスペンス小説『香獣』、評論集『文学とセクシュアリティ』を好評発売中の小原さんの連載小説です。『香獣』では次々に人が死にますが『幕間』はテイストが違います。人が亡くなったのは冒頭のみ。サスペンス小説の文法を崩しておられるわけですが、そのぶん、大変スリリングな作品になっています。
作家には考えて書く作家とそうではない作家がいます。考えなくても考えていると言えばその通りなのですが、考える作家に共通しているのは作品構造です。作品構造というと面倒くさそうですが、イメージ的には上から作品世界を引っ張る感じ。どの作家もやっているわけですが、考える作家は複数の構造(引っ張り方)を持つことができる。駒の動かし方がより自在になるわけですね。
小説の場合、テーマ(内容)が変われば新鮮味が生まれるのは確かなことです。ただ毎回同じパターンだと一定ファンは付くかもしれませんが徐々に飽きられてゆく。また作家の気力体力の衰えとともにワンパターンに陥ることが多い。複数の作品構造パターンを持っている作家はそれから逃れられる可能性が高まります。新たな試みを次々試すことができるんですね。『幕間』そろそろ佳境です。この型破りなサスペンス小説の落とし所、本当に楽しみです。
■小原眞紀子連載小説 『幕間は波のごとく』第24回 縦書版■
■小原眞紀子連載小説 『幕間は波のごとく』第24回 横書版■
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