小原眞紀子さんの連載小説『幕間は波のごとく』第21回をアップしましたぁ。金魚屋からミステリー小説『香獣』、『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの連載サスペンス小説です。中年に差しかかった姉妹を主人公集団にしたサスペンス小説です。サスペンスには宙吊りという意味がありますが『幕間』はまさにそうですね。どこに転がるのかわからない。ドキドキします。
また小原さんのミステリー小説は女性が主人公です。『文学とセクシュアリティ』に書かれているように、小原さんは社会闘争的なフェミニズムには反対で、デュラス的なエクリチュールフェミニンをフェミニズムの基本としておられます。どのミステリー小説でも女性主人公が追い詰められるわけですが、その追い詰められ方が魅力的なんですね。
特に『香獣』の女主人公の追い詰められ方は魅力的です。ま、総会屋の女スパイで女の優雅さを武器にしているから当然か。しかもキーファクターは香り。香道や香水が重要な小道具になっています。香りはある意味一番の贅沢品です。香木も香水もビックリするほど高かったりしますが使えば消え去る。つまり小原さんのミステリー小説には、地上の謎が天に昇華されるような観念性があるわけです。
■ 小原眞紀子 連載小説『幕間は波のごとく』第21回 縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『幕間は波のごとく』第21回 横書版 ■
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