寅間心閑連載小説『オトコは遅々として』(第09回)をアップしましたぁ。まったく男は子出産・子育てにはうといというか、鈍感というか、乗り遅れますねぇ。もちろん例外はあるでしょうが、多くの男が女性よりもそうなりやすい傾向があると思います。だからま、女性作家にとって妊娠出産、あるいは流産などが大きな小説テーマになるんですけど。
ただ『オトコは遅々として』には〝なぜ人を殺してはいけないのか〟という設問が投げ込まれています。主人公が昔の恋人を堕胎させたという経験が設問が生まれた直接的な原因ですが、それがいけないことだという社会常識の内実を考えてゆくとけっこう難しい問いかけになります。実際アメリカでは堕胎の是非を巡って大きな論争と対立になっています。定期的に起こる大問題です。堕胎反対派にとって堕胎は殺人なのですね。
この問題は容易に解決できそうにないですが、それを表現してゆくのも小説のテーマのあり方だと思います。もち小説ですから論理的な結論は出なくていいわけです。小説的解決法、あるいは迂回方法が示唆できればそれで良いわけです。
■ 寅間心閑新連載小説『オトコは遅々として』(第09回)縦書版 ■
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