ラモーナ・ツァラヌさんの連作小説『蓮・十二時』(第01回)[連作小説『蓮』その一]をアップしましたぁ。ルーマニア人能楽研究者で演劇評論家でもあるラモーナ・ツァラヌさんの新連載小説です。この小説は連作小説『蓮』として書き継がれる予定で、今回はパートⅠの『蓮・十二時』ということになります。
ラモーナさんの小説は『蓮・十二時』で5作目です。パラレルワールドものが多いという特徴があります。それがラモーナさんのテーマでもあるのでしょうね。現世とは違う時間軸、空間軸を持った世界が存在し(あるいは小説的に措定し)、そこから現世を眺める、現世の特徴や本質を探り描くといった手法です。この方法はラモーナさんの学問分野である能楽ともどこかで繋がっているように思います。
テーマがあるのは作家にとって決定的に重要です。小説を最後まで書き通せなかったり書き澱んだり、物語がダッチロールしてしまう最大の原因は、テーマをつかんでいないからということが多いです。逆に言えばテーマがないのに小説を書いてはいけない。当たり前ですが、単に小説家になりたいといったくらいで小説を書き始めても上手くいくわけがない。まずテーマをつかむ、決める必要があります。もちろんその先も、そのまた先もあるわけで、ラモーナさんのように連作を重ねてゆく手法では次にテーマの深さ、その展開方法の豊富さが問われていくことになります。
■ ラモーナ・ツァラヌ連作小説『蓮・十二時』(第01回)[連作小説『蓮』その一]縦書版 ■
■ ラモーナ・ツァラヌ連作小説『蓮・十二時』(第01回)[連作小説『蓮』その一]横書版 ■
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