寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『四十六、儲け話』をアップしましたぁ。男と女の関係は摩訶不思議です。倫理とかでは割り切れない。小説は男と女と金というのが絶対的基本ですが、あまりに露骨だとお感じになる皆さんには現実世界の矛盾と言いかえてもいいです。作家本位に言えば、作家はあえて矛盾を犯すわけです。
この矛盾というヤツ、ちょっと夢や発明に似ているところがあります。現実世界で生み出される発明の多くが人間の夢や妄想から生まれているのは言うまでもありません。こんなのがあればいいなー、こんなのがあれば便利だなーといった夢想から発明品が生まれてくる。小説も実体験に即しているとは限らずその大半は夢想(創造)です。で、小説ではあえて現実社会の人間関係の矛盾を衝くことが多い。品行方正な人々が登場する小説はたいてい面白くないですよね。
ただ発明品と違うのは、小説が衝く矛盾は別に現実生活を便利にしたりしません。しかし時に人間心理の〝新たな真〟を露わにします。これが理論という意味での〝理〟に直結しないのは言うまでもありません。小説が具体的人間を主人公にして具体的で身近な現実世界を舞台とする以上、小説が明らかにする新たな真は肉体的なものです。肉体的思想が小説世界の主人公たちの行動原理になります。それがどこかの時点でフッと天上の音楽のような抽象性を得れば、その小説は秀作傑作ということになります。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『四十六、儲け話』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『四十六、儲け話』横書版 ■
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