小原眞紀子さんの連載小説『幕間は波のごとく』第03回をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの連載サスペンス小説です。
4人姉妹のかしましいというか、いささか棘のあるテンポのいい会話から始まる小説ですが、第2章に来て怪しい雲ゆきになり始めました。トラブルを持ち込んでくるのは当然男。でもこの小説、男がキーパーソンになるのか女がキーになるのかまだまだわかりません。緊張の糸は続くのであります。
オリンピックを含めて何かと男女平等、人間平等が議論される世の中です。社会制度としては平等であるのが望ましい。ただし小説の世界は違います。小説の世界で男女性差、男女平等社会を前提にすると、途端に物語展開が平板になる。社会の闇を含めた格差を前提とするのが小説という表現だからです。
女性たちの集団は、基本的には相互理解を前提としています。男社会も相手を理解するのは同じですが、そこに社会性が冷たく入り込まないと機能しない。じゃあ女性集団が常に相互補完的かというとそうではない。男社会より相手を深く見切ることで、救済が生じたり絶望が生じたりもする。さて、『幕間』はどんな方向に進むんでしょうか。楽しみです。
■ 小原眞紀子 連載小説『幕間は波のごとく』第03回 縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『幕間は波のごとく』第03回 横書版 ■
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