金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の、小原眞紀子さんの連載小説『No.021 本格的な女たち』をアップしましたぁ。同窓会サスペンス小説です。
主人公の瑠璃さんが、ついに警察の取り調べといふか事情聴取を受けましたね。ほんで不審死には直接関わっていないのですが、まったく無縁だとは言えない。間接的に関わっているわけですが、この間接的といふ灰色の部分がどんどん大きくなっていっています。同窓会で復活した人間関係と同じですね。
人間の記憶はとても曖昧です。「いっぺん起きたことはいつまでも続く」(漱石)わけですが、それは初発の事件がずっと記憶に残るということでは必ずしもありません。初発の事件以降も流れる人間の時間が、最初の事件の衝撃を様々な形で塗り替えてしまうということでもあります。オリジンは同じでも違う記憶だって生じてきます。
この曖昧さに終止符を打つためには自分で過去を調べ整理してゆくほかありません。またその上に重なった現在の人間関係も解きほぐす必要がある。『本格的な女たち』では3人の同級生が亡くなっているわけですが、アリアドネの糸を手繰るように現在から過去に下ってゆくしかないわけです。
■ 小原眞紀子 連載小説『No.021 本格的な女たち』縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『No.021 本格的な女たち』横書版 ■
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■ 第9回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
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