寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『三十一、イチョウ色の爪』をアップしましたぁ。安藤さんの高校時代の先輩、というか、もしかすると元カノかもしれないトウコさんの登場です。安藤さんはちょいとヤバい感じのする女性ですが、恋人のナオとは別に、主人公はどんどん深入りしてゆく模様です。もう一つ妹の冴子と安太の問題が平行しているわけで、物語はどんどん錯綜してゆくのであります。
『助平ども』は立派な(?)男根主義小説ですが、それは男と女は違うことを思いっきり活用する小説ということでもあります。世の中にハニートラップといふものがありますが、可愛くてグラマーな女の子が「ねぇねぇ」フレンドリーに寄ってくれば、たいていの男はアウトであります(笑)。不意を突かれた場合はなおさらアウトでしょうねぇ。後になって周りの人から「バカだなぁ」と言われても「お前らにゃわからん」と言いたくなるでしょうな(笑)。
逆に言えば女性はそれを男に対して活用できるのであります。すれっからしの女性という設定なら意識的に活用することになります。ウブな女の子という設定なら未必の故意として活用することになる。どちらの場合もいったん網に引っかかった男がしばらく抜けられなくなるのは同じ。ただ前者は大衆小説的設定で違う審級の目的がなければ小説は面白くなりません。後者の場合も違う審級の目的があるのですが、たいてい漠然としている。漠然としているからハッキリした目的があるよりも厄介だと言えます。肉体だけでなく恋愛も絡んでくる。純文学にふさわしい設定は後者ということになります。
ただいずれの場合も振り回される男が、どこかで女性の意図に気づいていなければなりません。そのくらい感受性と知性が発達した男でなければ小説は面白くならない。わかっていてドツボにはまるわけですね(笑)。もちこれは男女ではなく女男でも活用できるスキームです。もちろん男女ほど女男のスキームは社会的通有性がないので工夫が必要ですが、仕組みは同じです。さて『助平ども』の主人公はどんなドツボにはまるのでしょうか。楽しみでありますぅ。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『三十一、イチョウ色の爪』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『三十一、イチョウ色の爪』横書版 ■
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