小原眞紀子さんの連作詩篇『Currency』『数』(第15回)をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの連作詩篇です。
数え上げること
それが今日の仕事
壁の染みを
道路の陥没を
折れた枝を
舞う紙切れを
書き出して眺めること
それが今夜の楽しみ
4つの染みの大小が
四角い四と相似であり
染みのかたちの凹凸が
四の隙間にまぎれているのを
わたしは発見する
エウレカ
幸福に満たされ
室内を眺める
(小原眞紀子『数』)
『数』は小原さんにとって重要なテーマです。大学で数学を勉強なさったことも影響しているでしょうね。通貨や投資など、数に対する興味の強い作家です。で、数に対する興味が何に繋がっているかというと、その根底の不在だと思います。もちろん数は現行通貨としてわたしたちの現実を残酷に縛りますが、一方で小原さんはその根拠のなさをじっと見つめておられるのだと思います。
■ 小原眞紀子 連作詩篇『Currency』『数』(第15回)縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連作詩篇『Currency』『数』(第15回)横書版 ■
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