寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『二十二、桃』をアップしましたぁ。『助平(すけべい)ども』大全になるような勢いですね(笑)。書き尽くすような勢いがあるのはいいことです。
思春期から20、30代くらいまでは性の話題やエンタメコンテンツのセックスシーンに敏感なものです。ただ年を取るとだんだん免疫がついてくる。映画やドラマでセックスシーンが始まると、よほど物語の核心に重なっていない限り早送りしてしまふことがあります。「美男美女のヒーロー、ヒロイン、ん、ま、そうだよね」といふ感じになって、「で、それから?」になってしまふのですね(笑)。
ここで何度か書きましたが小説のセックスシーンの処理は意外と難しい。読者の印象に強く残ってしまう確率が高いからです。下手にセックスシーンは書かん方がよろし、といふのが石川の基本的な考えです。セックスシーンを物語の核心テーマに重ね、さらにもう一段、高いレベルのテーマを設定していないと、間違いなくセックスシーンは浮くからです。小説初心者は避けた方がいい小説要素の一つです。
ただ一方で、セックスは〝常同性〟です。変態であろうと基本、同じことを繰り返している。つまり暴いてゆくと日常に近づいてゆきます。もちろん男女、あるいは同性の出会いはあり、それは相変わらず衝撃的なのですが、やることは基本変わらない。となると、これをどんどん暴いてゆくと、性といふか、セックスの奥が見えてくる。つまり常同性を超えるテーマが見えてくるわけです。
寅間さんの『助平ども』は出会いの衝撃はありますが、それが常同性となり、それぞれの登場人物のある本質が見えてくる小説になっています。しかしまた『助平ども』というタイトルなのですから、性愛の混沌が理性を上回るはずです。それはスリリングなことですね。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『二十二、桃』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『二十二、桃』横書版 ■
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