金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の、小原眞紀子さんの連載小説『No.010 本格的な女たち』をアップしましたぁ。同窓会サスペンス小説は現代社会に合っていると思います。まーみなさん、年は取っても気持ちは若い。ただしそこに個体差があるから同窓会小説は面白いのであります。
主人公の瑠璃は日本橋の老舗骨董商の妻で、フラワーアレンジメントの先生をしています。過去にこだわっていないキャリアウーマンだと言っていいでしょうね。でも同窓生は瑠璃のような人たちばかりではない。昔ちょいと恋愛沙汰で揉めた男は結婚して家庭を持っていても、昔の恋愛に執着する素振りを見せる。ずーっと一人の女性に執着していたわけではないですね。会社の出世などで先が見えたので、忘れていた過去が蘇ったわけです。
それは女性の同級生も同じ。学生時代は些細なことであったはずの出来事が、今の生活と精神状態によって増幅される。つまり同級生とか同窓生といふのは、とてもスリリングな要素を持っているわけです。サスペンス小説にはうってつけですね。
人間は現在によって過去を書き換えてしまうところのある動物です。前向きに生きていれば前向きな過去を選択しますから、ネガティブな要素は排除される。その逆のことも起きます。そして両者ともに過去の書き換えはほとんど無意識に行われる。両者がぶつかり合うと、過去が微妙にズレるわけです。『本格的な女たち』は心理学的サスペンス小説でもあります。
■ 小原眞紀子 連載小説『No.010 本格的な女たち』縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『No.010 本格的な女たち』横書版 ■
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