遠藤徹さんの連載小説『ムネモシュネの地図』『第13回 (四)象の耳(プライベート・プレーン)(下編)』をアップしましたぁ。さやかさんと種山教授はようやくタイに飛び立ちましたね。しかもプライベートジェットで(笑)。だけどまあ、タイに飛ぶまでに、丸々長い一章を使うところが、いかにも遠藤さんらしひです。
ラノベの編集者が、普通のラノベのつもりで、普通のラノベの展開を期待して『ムネモシュネの地図』を読むと、いろいろ言いたくなるでしょうね。でも『ムネモシュネの地図』は普通のラノベぢゃないんだからしょーがない。器用すぎる純文学系作家に、うんとサービス精神を発揮してもらってラノベを書いてもらうと『ムネモシュネの地図』のようになると理解するのが正しい。
タイプはぜんぜん違いますが、遠藤さんは筒井康隆さんにちょっと似たところがあります。SF作家とか大衆作家とかいろいろ言われますが、筒井さんは純文学からエンタメまで書ける作家です。また独特の冷たさがある。この冷たさは、遠藤作品の方が際立って見えるポイントかもしれません。
遠藤作品には、ホントに底の方に、冷たーい何かが流れている気配がありますね。あ、作家ご本人が冷たいといふ意味ぢゃありませんよ。作家の世界認識として、冷たい視線を持っておられる。それがホラーと相性がいい理由かもしれません。
いずれにせよ、この作家、取り扱い要注意です。取り扱い注意といふのは、売り方にコツがいるだろうといふ石川の予感であります。この作家は全貌を一気に見せないと、なかなかその凄みが読者に伝わらないだろうと思います。作家として力があるのです。それは確かです。
■ 遠藤徹 連載小説『ムネモシュネの地図』『第13回 (四)象の耳(プライベート・プレーン)(下編)』縦書版 ■
■ 遠藤徹 連載小説『ムネモシュネの地図』『第13回 (四)象の耳(プライベート・プレーン)(下編)』横書版 ■
■ 第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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