岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『No.084 若手俳人競詠10句(角川俳句 2017年07月号)』をアップしましたぁ。「under 45」とサブタイトルがある45歳以下の俳人限定の新人特集を取り上げておられます。長寿社会になったせいか、どのジャンルでも若手の年齢が上がっています。お笑いの世界では40代くらいまで若手と呼ばれることが多いそうです。俳壇では現在のように若手の平均年齢が上がる前から若手は50代くらいまでを含みましたね。
小津夜景、草子洗、矢野玲奈、大塚凱さんの4人の若手俳人を取り上げておられますが、新鮮な作品が多いです。句誌をめくっていると、まあ似たような句が多いです。作家性が希薄だと言ってもいい。ただ「under 45」の作品を読むと、なんだ、ちゃんと自己主張しているいい若手がいるじゃんと思ってしまう。年を取るとこういう新鮮さが失われてしまうのかなぁ。このまま行っていただきたいものです。
姿見のなかの裸といれかはる
気のつくといつもしんがり虹を撮る
太陽を牡丹のひだの押しよせる
心臓の奥の茂みを踏み鳴らす
萍と雲となんにもない正午
ぼんやりと津波の届く露台かな
蠛蠓に真顔のつつみこまれる津
(大塚凱「これからある無」)
大塚凱さんの作品です。新鮮ですがこのまま行かないだろうことも予想できます。一種の述志になっているからです。でも『萍と雲となんにもない正午』という述志の句を有季定型写生に置き直してゆけば、ものすごい傑作が生まれるかもしれない。大塚さんは櫂未知子さんの『群青』同人です。今最も勢いのある結社かもしれません。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.084 若手俳人競詠10句(角川俳句 2017年07月号)』 ■
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