小原眞紀子さんの連作詩篇『『ここから月まで』 No.020 金/箱/平』をアップしましたぁ。小原さんのCool抒情詩第20弾です。小原さんは小説も評論もお書きになりますが、作家としてのベースは詩人です。そして作家のエッセンスが詩人であるということは、なんら特権的なことではありません。ただ生粋の小説家とは違う資質を持っており、小説や評論を書くにしてもそれが付加されるということです。
詩は一種の直観的真理把握です。〝である〟であり、ある真理を見抜きます。ただ現実世界は詩の直観通りには進まない。〝それは正しい、だけど現実にはさ・・・〟で始まるのが小説です。根が詩人である作家は、直観的真理を把握しながら迷妄と逡巡と矛盾に満ちた小説作品を書き始めます。生粋の小説家が混乱したまま作品を終えることができるのに対し、詩人資質の作家は小説世界の審級から一段上に抜けようとする。夏目漱石などもそうです。
詩のジャンルが経済的にも文学評価的にも低迷し始めた昨今、詩人と呼ばれ、詩を書いていることに過剰な付加価値を見出そうとする作家が増えています。馬鹿げたことです。純文学小説ですら自費出版市場になり始めているのです。詩の業界は間違いなく今後ますます苦しくなる。本物の詩人なら強い直観真理把握能力を駆使して、詩に限らずあらゆる表現ジャンルで才能を発揮して、本業の詩を守り書き続けてゆくべきだと思います。
■ 小原眞紀子 連作詩篇 『『ここから月まで』 No.020 金/箱/平』 縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連作詩篇 『『ここから月まで』 No.020 金/箱/平』 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■