原作・小原眞紀子、作・露津まりいさんの連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第07回)をアップしました。第4章『ショコラを砕けば香りは高く(前編)』です。スターさんのマネジメントをするのは大変ですな。テレビなどに限らず、大勢の前に出てて演技や演奏をするのはもんのすごいエネルギーを人間に要求するらしひ。スターさんが多少わがままになってもしょうがないメカニズムがあるやうです。
ただま、このメカニズムは作家にもかなりの程度、当てはまります。作品を世の中に出してゆくことは、四方八方から批判的な視線にさらされるということです。それをグッと受け止めて、さらに書き続けてゆく精神力がないと作家にはなれません。作家なら誰でも日の当たる場所で活動したいと願っているでしょうが、一番気楽なのはある種の詩人さんたちのように、日陰と日向のグレーゾーンで物書きというプライドだけを維持してゆくことかもしれません(爆)。
出て行こうとする彩子を、「ちょっと」と、カオルは呼び留めた。
「あんたさ、この企画終わっても、付き人を続ける気はないの」
「まず、無事終わるかどうか」と、彩子は低く呻った。
「それはそれとして」
カオルは馬鹿に物わかりよく頷いた。
「わかったんだ。あんたは理想の付き人だよ。お菓子も作れて、占いもできる」
「インチキ占いはお嫌いでしょ」彩子はやっと言い返した。
「大っ嫌い」カオルは満面に笑みを浮かべた。
「でも、ないよりましよ。だいいち好きとか嫌いとか、あんまし自分でわかんないんだ、あたし」
(原作・小原眞紀子 作・露津まりい 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』)
カオルさん、なんか不穏なことを言い始めましたねぇ。これがどう物語の伏線になってゆくのか、ちょー楽しみであります。
■ 原作・小原眞紀子 作・露津まりい 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第07回) (縦書)版 ■
■ 原作・小原眞紀子 作・露津まりい 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第07回) (横書)版 ■
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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