鶴山裕司さんの連載エセー『続続・言葉と骨董』『第055回 魔法使いのクートラスおじさん(後半)』をアップしましたぁ。クートラスは『僕のご先祖様』と名付けたグァッシュや油絵作品を大量に描きました。この『僕のご先祖様』について鶴山さんは次のように書いておられます。
クートラスが壁に掛かっているご先祖様の肖像画を、それを固定する額縁や壁ごと描き、時には彼自身をモデルにした肖像画を描いたのは、そこに居場所のないクートラスの居場所があったからだろう。クートラス作品にはほとんど動きがない。人や物は拭っても拭っても、拭い去れない傷のように描かれる。カルトはもちろん最良の『僕のご先祖様』シリーズでも、クートラスは完成してからそれに手を加え古色を付けようとした。骨董趣味ではない。動かしがたく消せもしない傷のような絵にしたいのだ。昔からそこにあって、普段は気にしていないが、なくなると寂しい作品にしたいのである。宗教画題であれ恐ろしく俗な画題であれ、クートラスにとってそれは聖痕だ。クートラス作品はヨーロッパ文化の基層的イマージュの反映であり、そこに新たな聖痕を付け加える作品でもある。
(鶴山裕司)
優れたクートラス論になっています。じっくりお楽しみください。
■ 鶴山裕司 連載エセー『続続・言葉と骨董』『第055回 魔法使いのクートラスおじさん(後半)』 ■
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