大篠夏彦さんの文芸誌時評『No.033 文學界 2016年01月号』をアップしましたぁ。大篠さんは『文學界新年号の巻頭は朝井リョウの『ままならないから私とあなた』三百枚の一挙掲載である。正直なところ〝マジっすか〟と思ってしまった。朝井氏は(中略)稀代のストーリーテーラーで、いわゆる〝面白い小説〟を書く若手のホープだ。(中略)しかし新年号には西村賢太も書いているわけだから、文學界的文脈なら彼の方が巻頭にふさわしかったのではないかと思う』と書いておられます。
もちろん朝井氏の作品は別です。大篠さんは『この作品が優れているのは、エンターテイメント要素を満たしながら正面から現代的問題に斬り込んでいるからである。作品が未来に時間が伸びているように、新たなテクノロジーと人間との関係がはっきりするにはまだ時間がかかる。もしかするとかなり長い時間を要するかもしれない。だから問題は提起できてもその帰結は〝わからない〟。しかしわたしたちが未来が見えにくい、わかりにくい時代に生きていることは認識把握しなければならない。『ままならないから私とあなた』はわたしたちの今現在の問題に食い込んでいる』と高く評価しておられます。
文学業界全体で本の売り上げが落ちていますが、特に純文学業界は雑誌を含めて経営が厳しい。しかしどのメディアにもこれだけは譲れないというアイデンティティはあります。もしかすると文學界さん的純文学のアイデンティティが、揺らがざるを得ない時代になっているのかもしれませんね。
■ 大篠夏彦 文芸誌時評 『No.033 文學界 2016年01月号』 ■
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