山際恭子さんのTVドラマ批評『No.145 砂の塔~知りすぎた隣人~』をアップしましたぁ。TBSさんで金曜日夜22時から放送されているサスペンスドラマです。菅野美穂さん主演で松嶋菜々子、岩田剛典、横山めぐみ、堀内敬子、ホラン千秋、上杉柊平、田中直樹さんらが出演しておられます。個人的には久しぶりに烏丸せつこさんの演技が見られて嬉しいなぁ。脚本は池田奈津子さんです。
山際さんはこのドラマについて、『冒頭、血塗れの浴室のシーンから始まるなど、映像で引っ張る観せ方が周到になされている。(中略)それは視聴者にも、セリフによらない繊細なメッセージを伝える。(中略)不出来なドラマは何かの不安に苛まれているかのように、必死でセリフで説明しようとする。それがドラマ全体のリズムを崩し、ますますみられなくする。(中略)映像で伝えるという手段が失われていれば、不安にもなる』と批評しておられます。やっぱ脚本に筋が通っていると、絵も作りやすいやうです。またキャスティングもいいです。山際さんは『松嶋菜々子のはまり役というのを初めてみた。そうか、こういう役をさせなくちゃなんないんだー。(中略)主演、ダブル主演というわけでもなく「トメ」。もっといい役、ということか』と書いておられます。
長く主役をつとめた俳優さんにはスターだという自覚が芽生えるでしょうが、テレビドラマを含めた演劇の世界はやっぱバランスですね。一つの作品世界の中で、どれだけ部分として全体を支え、魅力あるものにしてゆくのかが一番重要です。主演じゃなくてもいわゆる〝おいしい役〟はあるわけで、『砂の塔~知りすぎた隣人~』は今のところ全体バランスの良い作品になっていると思います。こういった部分と全体の関係は、もちろん小説などにも援用できます。
■ 山際恭子 TVドラマ批評 『No.145 砂の塔~知りすぎた隣人~』 ■
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