露津まりいさんの連載サスペンス小説『香獣』(第27回 最終回)をアップしましたぁ。大好評の『香獣』も今回で最終回です。実はもそっと続きがあるのですが、それは金魚屋から刊行する単行本に収録します。またアップは三日間限定です。お楽しみくださいっ。
金魚屋編集部はなーんも考えてなひようで、それなりにちっこい脳みそをフル回転させております。文学の問題だけでなく、現実制度問題も山積みなのです。むしろ文学金魚が文学界全体に少しでも寄与できるなら、それは現実問題と深くリンクしてくると言ってもいいでしょうね。
文学出版、マジしゃれにならんくらい厳しいです。金魚屋に限らずどの出版社に行っても同じですが、『本を出してもらえればいい、売上は知らん』といった作家の姿勢は今後ますます通用しなくなると思います。つまり各出版社が設定する最低限度の部数を売り上げられない作家の本は、出版されにくくなるといふことです。
文庫中心の出版社では、最低売上部数ノルマ10万部も珍しくありません。大手文芸出版社でも、少なくとも三千部はといったところでせうね。金魚屋でも同じですが、こちゃらは零細ですから千部くらひが最低ラインになります。でも千部って、現状ではけっこう高いハードルです。
それをクリアするにはどうすればいいか。これは作家それぞれもまた考えなければならないわけですが、当たり前ですが〝売れる本を書こう〟と意志しなければ絶対に不可能です。露津さんの小説はそういった意味で一つのサンプルになるかもしれません。エンタメ小説の顔をしていますが、純文学要素が強い。ジャンル越境は何も詩と小説といった文学ジャンルだけの話ではありません。文学ジャンル内でも越境を試みることで、活路が開くこともあると思います。
■ 露津まりい 連載サスペンス小説『香獣』(第27回 最終回) pdf版 ■
■ 露津まりい 連載サスペンス小説『香獣』(第27回 最終回) テキスト版 ■
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■