田山了一さんのTVドラマ批評『No.110 フラジャイル』をアップしましたぁ。フジテレビさんで水曜日夜10時から放送されている医療モノドラマです。長瀬智也、武井咲、野村周平、小雪、北大路欣也さんらが出演しておられます。原作はマンガ『フラジャイル』で原作・草水敏、漫画・恵三朗さんです。偏屈だけど天才肌の病理医さんが主人公です。ちょっとアメリカの医療ドラマDr.HOUSEに似てるかなぁ。
田山さんは『医療ドラマの典型を作ったのは、古くは『白い巨塔』で、そこで示された権威としての医療組織というイメージは、日本の医療ドラマには抜き難いお約束となっている』、しかし『いまや医療組織が『白い巨塔』として〝大衆〟に具現化する状況ではない。(中略)医師という〝階級〟を前提に社会派ドラマに仕立てる文脈は、戦後日本の〝大衆〟にとって、それがある時期、身近な成功者の指標とみなされたという特殊な事情下のものでしかなかった』と批評しておられます。そうなんだよなぁ。お医者さんは今でもエリートですが、病院経営は一昔前よりうんと難しくなっていますねぇ。
現代日本では経済格差という言葉は流通していますが、戦後70年代くらいまではよく言われた〝階級〟という言葉はあまり使われなくなりました。精神的には皆平等な時代になったんですね。誰もがツイッターやブログで好きに意見を表明できる時代でもあります。ただもしそこに〝階級〟があるとすれば、責任感の有無ということかなぁ。
不特定多数の視線に曝される場所、つまり社会的注目を集める立場に立って発言すれば、必ず批判や反論を受けます。でも発言してから善後策を考えるのでは遅い。自分の意見(思想)を予め考え抜き、予想される批判・反論に対処できるように用意しておく必要があります。降りかかる火の粉を払いのけながら前進すれば、特殊な意見であろうと必ず〝そうだ〟と言ってくれる賛同者が現れるのも確かなことです。ただかなり強い精神力が必要でせうね。
ところで第03回金魚屋新人賞の締め切りが迫ってきました(03月31日締め切り)。金魚屋新人賞は小説、詩、評論などのジャンルを問わず、また有名・無名作家も問いません。金魚屋では文学界を盛り上げるために、なんとか従来とは違う新人登場の道筋を作りたいと考えています。でも気鋭の作家の皆様の作品がなければどーにもなりません。皆様のご応募を心よりお待ちしております。
■ 田山了一 TVドラマ批評 『No.110 フラジャイル』 ■
■ 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)は3月31日〆切です ■
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