小原眞紀子さんの『BOOKレビュー 評論・エセー』『No.003 『いい加減人生相談 [Kindle版]』 適当占い師いけのり著』をアップしましたぁ。文学金魚で『パワーストーン占い師いけのりのなんとなく星占い』を絶賛連載中のいけのりさんの新著、『いい加減人生相談 [Kindle版]』の書評です。いけのりさんはWebで『いい加減人生相談』を掲載しておられますが、その成果(?)をまとめた渾身の一冊です。みなさまも人生の進路に行き悩んだときは、いけのりさんに相談してくださいませぇ。
石川、いけのりさんの占いを毎月すんごく楽しみにしております。占いは受け手側に多少なりとも信じる気持ちがあれば、なんらかの意味を生じさせると思います。日本では血液型占いが盛んですが、アメリカなど人種が入り乱れている国ではまったく流行りません。アイリッシュ、アフリカ、東洋、ユダヤ系といった違いの方が大きいからです。でも血液型によって思考や感覚に差が出ると信じる文化共同体では、血液型占いは意味を持ちます。だから石川がいけのりさんの占いが好きだってことは、いけのりさんの占いに意味があると信じているといふことですね。
小原さんは、『なんでわざわざ「いい加減」、「適当」と銘打ってるかというと、そのいい加減を売り物にしている開き直り感の裏で、結論の出なさ加減をちょっぴり気に病んでいるいけのりがいるように思う。(中略)とはいえこの書物は、いけのりが全力でもって知力と耳年増の年輪を傾けた回答の結晶なので、そこらの煮崩れたオバハンの放言とはひと味もふた味も違う。何よりまず提示された事象への驚きがある。それは結構、純真な感じもして、ちょっとおっかなびっくりのところもある。が、しかし(中略)「畏れを知る」ことこそ真っ当で、大事なことではないか』と書いておられます。
石川は小原さんが書いておられるような、いけのりさんの繊細さが好きなんだなぁ。〝こうしなさい!〟と命令調の占いをする人もいるし、〝こうかもねぇ〟といった弱気の占いをする人もいます。いけのりさんの占いは後者ですが、繊細な中にときどきいけのりさんの〝本音〟のようなものが読み取れます。その本音はかなりまっとうで、いつも迷って右往左往している石川のやうな人間には、そうなんだよなーといふ人生の指針になるのでありまふ(爆)。
■ 小原眞紀子 『BOOKレビュー 評論・エセー』『No.003 『いい加減人生相談 [Kindle版]』 適当占い師いけのり著』 ■
■ 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)は3月31日〆切です ■
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