山際恭子さんのTVドラマ批評『No.107 ナオミとカナコ』をアップしましたぁ。フジテレビさんで木曜日22時から放送されているドラマです。広末涼子、内田有紀さんのW主演で、佐藤隆太、吉田羊、高畑敦子さんらが出演しておられます。
石川も忙しいけど見ておりますぞ~。主演の俳優さんたちも素晴らしいのですが、石川、高畑淳子さんを見たいのでありまふ。『Dr.倫太郎』の高畑さんは良かったなぁ。山際さんが『キャスティングというのはそれ自体がメッセージ、言葉であり作品ではないか、と考えさせるほど力強い』と書いておられるとおりです。でもあんまり視聴率がよくなかったみたいですねぇ。秀作の匂いがするんだけどなぁ…。親友の女性2人がDV夫を殺害するといふストーリーでサスペンス仕立てなのですが、それが諸刃の刃になるやうです。
山際さんは、『(桐野夏生さんの)『OUT』に対してどこか引っかかる(中略)という向きは、やはり男性だったと思う。(中略)女同士の友情からというより本当のところ、すべての男を含む社会への絶望から確信的に犯罪者となる女主人公は、男性読者に本質的な恐怖と混乱を与えたのだと思う。可愛くてきれいな二人の女性が、そうせざるを得ない理由を素晴らしい演技で示しても、夫がそうせざるを得なかった理由については完全に無視され殺されるということから、もし視聴者の半分を占める男性が引いてしまうなら、数字的な苦戦は必至と言わざるを得まい』と批評しておられます。見事な読解だなぁ。
でも石川も『ナオミとカナコ』はいい作品だと思います。本が良いと俳優陣の表情や動きにもキレがあります。フジテレビさんは視聴率で苦労されているようですが、『こういう惜しい当たりを繰り返して、いずれスランプ脱出する』(山際さん)と石川も思います。
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■ 山際恭子 TVドラマ批評 『No.107 ナオミとカナコ』 ■